鼠力機関

鼠くらいの精一杯の力でもろもろぶん回せたらいいのにねえ。

え?また救急送りになったんですか?

そういや2年前に救急外来にドナドナされたな…
そろそろ戒めのために何か書くか...と思ってたら、
なんと!また!救急外来送りになりました!バーカ!

ということで、今回の顛末を書きます。
前回は「栄養失調由来の肺炎(not流行病)&薬の副作用で体調お亡くなり」でしたが、
今回は「ひとんちで腹筋ローラー立ちコロやったら滑って顎強打して8針縫う」
というあんまりにあんまりなすっとこどっこい。

ことの発端は「新婚夫婦の新居に遊びにいって盛り上がる」というごく普通の集まり。
夜も更け、その場のノリもあり、なんでだったっけ...その場に転がっていた腹筋ローラーの話になったんですよね。
新郎は膝立ちでコロコロしてらっしゃるとのことで、
ウシ!ガリマッチョ(156cm34kg)の実力見せてやるぜ!と立ちコロやったのが運の尽き。
もともと腹筋は若干割れているんで多少は遊べるんです。...と、ここで過信したのが良くなかった。

立ちコロってまずは転がして、床と平行になる状態まで体を伸ばしますよね。
その後体を引き戻し、そのまま”く”の字になります。
これを繰り返してキクーッ!!ってやるのが楽しいんです。
そんなこんなで調子良くやっていた。そのつもりで、私は大事なことを忘れていました。
時は午前2時過ぎ。焼酎に日本酒、すでにどぶどぶ飲んでいることを。
前日っていうかこの1週間くらいビッグカツばっか食ってて、そもそも空きっ腹にぱしぱし酒を放り込んでいることを。

現場写真

あ。
と思ったときは腹筋ローラーが滑り、私は床に這いつくばり、
眼鏡もすっ飛んでいるのでいまいちなにが起こっているのかわからないまま、
周りの人達が慌てふためく声を聞いていました。

『動かないで!血出てる!顎が切れてる!ヤバい深い!』
『骨見えてるから!今タオル持ってくるから!しっかり押さえて止血して!』

あ、あかん。痣になるくらいには打ったなこれ。などと呑気に考えていた私はその場で爆笑。
「いやいやいやいや痛くないし!!!ちょっと大袈裟っしょ!!!へーきへ」
『いやまずいから!ハイ病院!すぐ病院行って!ちょっとただごとじゃないよ!!!』
あれ~????痛くないよ????みんなどうしたん?????
と何気なく眼鏡を装着。
同時に眼前に広がる光景。あれ???スプラッタじゃん...?????


幸いにも病院がド近所だったこと、本人が歩けることから、
新婚夫妻から電話をしていただき、そして止血用のタオルもいただいて病院にGO。
前回肺炎で運ばれたときは意識がぶっ飛びかけるくらい痛かったのに、今回はまるっきりなにもない。
だもんで「や、きゅって押さえとけばなんとかなるっしょ」と楽観的に構えていたのも束の間。
通された診察室でご挨拶して傷口を見せたところ、
お医者さん、マスクの上からでもわかるくらいに「グワーッ!!」という表情を浮かべ、なにやら呪文のように矢継ぎ早に看護師さんに指示。看護師さん、バタバタと走り去る。
そして明らかにドン引きした表情のままのお医者さんの言うことにゃ、
『ごめんなさい…骨、見えちゃってます。骨折の疑いは免れません。というか傷口が深すぎるし大きい。すぐCT撮ってきてください』
…マジで?全然痛くないのに?体質的に止まらんはずの血が珍しく止まってるのに?

半信半疑のままレントゲンとCTスキャンの儀。
ここで恒例『すみませーんピアス光っちゃうので外してくださーい』

真正面から撮影されたことにより判明する、 スーパーきれいな入りのホリゾンタルタン

アンヘリはだるいしオービタルは玉取って締めてるしイヤーロブもだるいしホリゾンタルタンはもっとだるいし、
渋々センタータンだけ外して撮影。...うん、銀歯のほうがめっちゃ光ってますね!!!

光りまくる銀歯ときれいな下顎

ここまでは良かったんですが、

アッ

下顎に亀裂入っとんな(真顔)
ここでただでさえ慌てている医者、さらに慌て、
『ちょっと他の医師に相談してきますので、申し訳ありませんが待機してください。
その前に骨が見えている状態はたとえ骨折していなくても”開放骨折”扱いとなりますので、まず抗生剤を点滴します』

ここでようやく自分に冷や汗。
というのも、精神科での採血はことごとく失敗され、
健康診断では機械に認識されずに血圧が正常に測れないクソ細血管。

ただし採血がめちゃ辛かったです。 医者と看護師二人がかりで腕縛り上げられてサラウンドで「ないねえ」「使えないねえ」「みあたらないねえ」ってとんとんされまくってうっすら笑えたのも束の間、 「見つけたんでいきまーすハイちくっとしまーす」 からのぶっとい針えいやってされたのは大変堪えました。何せ針嫌いだもので。 あんまりにも痛かったので、血を抜かれている間は腹痛よりきつくて「アアアアアアアア」って言ってました。 ちなみにこの針の痕、3日後も残ってるのでよほどのものが刺さったのかなあと邪推しています。 もともと血管細いので採血あるたんび毎回困られるんですけど、 今回は結構な量抜かれた上、生理食塩水とキツめの痛み止めの点滴2本差しとかされたもので、ダメージは大きかったかな。

救急搬送されたので覚え書きっぽいやつ - 鼠力機関

前回の”恐怖のサラウンドとんとん”の記憶が脳裏によぎり怯える私。
果たしてその予感は大当たりし、
左腕はお医者さんに、右腕は看護師さんに託され、ゴム管で上腕を縛られ、
『ないねえ』『どうしようねえ』と困られ、
耐えきれなくなったお医者さんの『仕方ない!正中で取ります!』の鶴の一声により、

肘にクソデカ針をぶっ刺され、左腕が曲げられなくなりました。
正直受傷したときよりマジ寿命縮んだ。ピアスばりぼりに開いてるけど針嫌いなんですわ...。超いってえ...。
ていうかこのサイズの針刺されると確実に半日出血するんだが...。

点滴処置が終わってお医者さんがどっか行く中、
歴戦といった安心感のある看護師さんズが色々持って到着。
『あら~ホント顔ちっちゃいわね...ガーゼで顔隠れちゃうね、ごめんねえ』
とやはりサラウンドで慰められつつ止血再開。
マスクばりにでかいガーゼで顔を覆われテーピングされ、曲げられない肘を台に乗せられ、気分はもうしおしお。

しかし相変わらず骨辺りの痺れや痛みはなく、
表皮に痛み未満のややピリピリした感触があるかな...?程度でぼんやりお医者さん待ち。
確実に大したことになってないだろこれ...という確信を持ちつつ、やっぱ点滴のほうが痛えわボケ、とも思いつつ、
「病院の自販機めっちゃバリエあっていいな~」なんて考えて気を紛らすこと十数分。

そこへようやくお医者さん登場。重々しく診察室にご案内。
『現在いる医師3名で話し合いました。
顎の亀裂はおそらく、乳児期に骨が開いて癒合するときの名残だと思われます。なので骨折であるという恐れはなさそうです。
しかし先程もご説明申し上げたとおり、こちらの傷は開放骨折扱いです。
深いこともあり、内部を...そうですね、4針ほど、表皮を8針ほど縫う必要性があります。
これから縫合を行いますので、よろしくお願いいたします』
む、無慈悲な宣告~!!!!!!!

孤独死現場やグロ動画をおかずにご飯を食べることが好きなので、好奇心で写真を撮ってもらいました。
お嫌いな方もいらっしゃると思うのでさすがに写真を載せるのは憚られるのですが、
これは打ちどころが悪く、筋繊維に沿ってパックリ割れちゃった感じなのかな...?と邪推。
奥にはしっかりと真っ白な骨が見えており、ようやく看護師さんたちの顔小さいコールに合点がいきました。
痩せ過ぎてて皮めくれたらすぐ骨なんでしょうね。
なおここはフラグです。

さて、お待ちかねの縫合手術。
と思いきや、お医者さんがわらわら。
『なかなかない症例なので、お顔は写さないようにしますので...是非お写真を撮らせてもらえませんか?』
…うん。ですよね。自分でも撮るわそりゃ。どうぞ笑ってください。
どう見ても”腹筋ローラー立ちコロミスって20cmの高さから落下した傷”じゃねえもんなこれ。
だって...口と同じ幅くらいの真一文字の傷がぱっくり開いてて、骨ガン見えになってるなんて普通ないよな。第二の口が開いたんですか?ってレベルだった。
そんなことを思いつつ、麻酔を2本打たれ、最初に患部洗浄。
このときサラサラ流れる冷たい水が肉に当たり大変気持ちがいいと伝えたところ、
医者、『...麻酔効いてませんね。もう少し打ちます』と冷静なお答え。
えーっ?!あんなに酒かっくらってんのに???まだなの???
結局総麻酔注射数6だか7だか。本当にびっくりしました。
その後麻酔用塗り薬もびしびしに塗られ、『ハイそれでは骨膜から縫います』という無慈悲な宣告その2。
...え?骨膜ってなんすか?
麻酔が効きにくいこともあってぺらっぺら喋る口で問うたら、
『あまりに傷が深いので、溶けるタイプの糸を使って、まずは傷の最奥から縫合します。
骨膜というのは骨を包んでいる膜で、ここはちょっと痛いかもしれません...。
それが終わってから外側にかかります』
という聞いたこともないような処置でした。わ~!重傷だ~!
縫合中は喋ってても良いということだったので、お医者さんの後学も兼ねて、いろいろお話をさせていただきました。
まあ腹筋ローラーミスって打撲、ならわかるけど、創傷はねえよなあ。しかも落下20~30cm程度でさあ。
自分のアホがお医者さんの今後に役立つことを願ってやみません。

お互い緊張をほぐすようにもにゃもにゃ話していたら、
突然病室に響き渡る心電図停止の”ペー”という絶叫。
一瞬遅れて耳元で叫ぶお医者さん。『○○さん?!大丈夫ですか?聞こえてますか?〇〇さん?!』
意味がわからず叫び返す私。「聞こえてまーす!なんすかこれなんなんですか!」
ということでここでフラグ回収、「痩せすぎの弊害」。機械が脈を探知できずに勝手に臨死にされた模様です。
サラウンドとんとんの話といい、血圧測れない問題といい、
そろそろ”確実に血が取れる血管”のあたりに刺青を入れ、メンテナンスハッチ扱いとしてわかりやすくしていくしかないのかな...とぼんやり思いました。


つーことで縫われた痕。
お医者さんに『絶対に今日中に"形成外科"に行ってくださいね。なにせ女性のお顔ですからね』
と固く命じられていたものの、
私は受傷当日に本名盤のライヴがあり、ガン無視でおんも出てガンガンヘドバンして飲酒、あまつさえコンビニングをしました。
おにいたまを観たのは濱書房のおタン日ワンマン以来!
ゲバでニウロンの曲!ていうかこの日全体的にセトリ良かった!
メトで〆つったらやっぱ回んなきゃダメでしょ!Φ-D!ロッキンホースでやるとちょっとつらい!
さらに翌日にはどうしても見に行きたかった写真展もあり、最早無敵。外出をすっげー満喫しました。
擬人化クロさん可愛かったけどこの日は耳に包帯猫ストラップつけて出かけちゃっておもしろ事案が発生したりもしたな。
ということで、睡眠も栄養も必要だけど、まあストレス軽減ってことで何卒、何卒。
どうあがいても傷跡は残るだろうけど、
もうアラフォーババアだし、傷自体は顎の輪郭に沿っているのでそこまで目立たんだろうし、なんなら人体改造も好きなので目立ったところでまあ構わんな...という状態です。超楽観!
凡ミスとはいえ向こう傷にカウントしていいですか?

とりあえず今回の総括として、
「フローリングで立ちコロすな」「どうしてもやるなら膝と顎にマット敷いとけ」「酔っ払ってるときの万能感で何でもやるな」といった塩梅です。
皆様もお気をつけあそばせ。


こぼれ話。
診断書がCD-ROMでもらえたのは良いのですが、

対象OSからMacが除外されており人権が剥奪されているのを感じたり、

床が刺突or斬撃属性を持っているためこのようなことになったのではないか?
(もしくは運悪く居合わせたかまいたちを顎で圧殺してしまったのではないか)という事象が観測されたりしました。

いやはやお邪魔した新婚ハウスに爪痕(顎痕)を残してしまい、申し訳ない限りです。
なんと申し開きをしたらよいかわからないので、今度詫び・スペシャルを持ってお伺いせねばと思います。
この度は大変なご迷惑をおかけし、まことにすみませんでした...。
と同時に、適切な処置を迅速にしてくださって感謝しております。
お陰様であれだけぱっくり逝っていた顎は素直に閉じました。ありがとうございます。

現在もやっぱり痛みらしい痛みがなく、咀嚼時に「あー打ったわ」程度の感覚があるだけです。
飛び出ている糸がたまに顎に触れてくすぐったい。
やはり打ったときにアドレナリンが出ていたとかではなく、本当に神経の鈍いところだったのかな。
裂けたのは「打ちどころが悪かった」ですが、
骨折もなく痛みもないのは「運が良かった」みたいです。


ちなみに翌日に予約を取った外科医、同じバンドを追っかけてるバンギャだったのですが、この話はまた今度な!
一応次は、
「希望を持って生きましょう、お薬増やしておきますね」リターンズ - 鼠力機関からの、
帰ってきたお薬増量キャンペーン!
「夢も未来も希望もねえけど薬はめっちゃ増える」をお送りしたいと思います。