鼠力機関

鼠くらいの精一杯の力でもろもろぶん回せたらいいのにねえ。

救急搬送されたので覚え書きっぽいやつ

午前3時、檻の中並の薬を処方されているはずの自分がばっつり目を覚ましました。
と同時にブチ上がる腹痛。湧き出る冷や汗。
あ、これもしかしてダメなヤツなんじゃね...?と思いつつ、ダメじゃなかったときのことを考えるとめんどくさかったので放置。
しかし1時間後、さらに強い痛みにのたうち回る自分。
午前4時、7119に電話し、
「やむを得ない」と判断した上で人生初の救急車で搬送と相成りました。
以下箇条書き。

7119で症状相談、盲腸やその他臓器に異常が発生している可能性が認められ、そのまま取り次がれて救急車手配

救急車を回してもらう間に以下のものを用意(優先度順)
◎パンツを履く
 →このクソ暑い最中クーラーぶん回して全裸でいる以外の選択肢はなく、よって家に人が来るという時点でパンツを履かざるを得なかった。人権。
障害者手帳
 →パンツ同様必須アイテム。身分証明書。保険証より大事。
お薬手帳
 →当然のことながら服薬期間、飲み合わせの可否を一発で確かめられる。自分はとんでもない量の眠剤飲んでるので特に大事。
◎保険証
 →なかったら実費になるけど、後の始末さえしくじらなければまあどうとでもなる...かもしれん。
○(もしあれば)診断書のコピー
 →親由来の病気を患っているため、何故親に連絡してはならないのかがわかる。
○(もしあれば)3ヶ月以内の自分の血液検査の結果
 →当然病院でも検査されるけど、今回前後比較もしてもらったので良かった。
以上!!これだけ用意しとけばなんとかなります。
あとはキャッシュで2~3万くらいかな。
今回は大学附属のデカいやつに担ぎ込まれちゃったのでカードでも良かったんですが、
地域性、病院によっても変動すると思います。ので現金最強。


救急車が屋敷前に横付けになった後ってすごいんですね。
映画「羊たちの沈黙」でレクター博士が棒立ち拘束衣で移動させられる場面あるじゃないですか。
あんな感じで、身体を縦にしたまま運ばれるのね。
腰を下ろした記憶はあるんですけど、明らかに車椅子じゃなかった。担架をそのまま縦にしたみたいな。そんでもってぐるぐる巻き。
モツの具合がどうなってるかわからないので動かさないように、という配慮なのかもしれませんが、よけいにこれヤバいことになってない?と言う気持ちでいっぱいになりました。

で、結論から言うと、
「肺炎っすね。しかも全っっっっ然流行病じゃないやつ。めっちゃごはん食べて免疫上げましょ↑↑」
というものすごく普通の結果。
肺炎なのに胸痛も咳も痰も何故なかったのかはいまもって謎です。


今回、
・まず7119(大事なことなので何度でもリンクを張ります。今回の場合、本人の意識もあるのでまずは電話しましょう)で救急車の要不要を確かめられた
障害者手帳お薬手帳、保険証の準備が早かった(自分でいつもひとまとめにしていた)
というあたりがポイント高かったかなと思います。

そうそう、現住まいの立地の確認もありました。
近所に神社仏閣がないか?高速道路はあるか?学校は?公園はどうか?野生動物はいるか?(野良猫だけじゃなく、ハトやカラスも)まで細かく訊かれます。
そりゃそうだよね。コロナウイルスだけじゃなく、病気の種類も感染経路もいっぱいありますもんね。


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担ぎ込まれたときは発熱があり(平熱37.0℃が37.7℃に上昇)、もうそれだけで個室にブチ込まれて完全装備の医者が入ってきたときは流石に終わったかと思いましたねえ。ついにやらかしたか、と。
ただその医者がまず聴診器で体の前面もしもしやってから怪訝な顔したり、腹痛の位置を定めたりした後、
マスク以外は普通のおねえさんが入室してゆったり常用薬訊いてきたときは「ん?助かったか?」ともなりました。

ただし採血がめちゃ辛かったです。
医者と看護師二人がかりで腕縛り上げられてサラウンドで「ないねえ」「使えないねえ」「みあたらないねえ」ってとんとんされまくってうっすら笑えたのも束の間、
「見つけたんでいきまーすハイちくっとしまーす」
からのぶっとい針えいやってされたのは大変堪えました。何せ針嫌いだもので。
あんまりにも痛かったので、血を抜かれている間は腹痛よりきつくて「アアアアアアアア」って言ってました。
ちなみにこの針の痕、3日後も残ってるのでよほどのものが刺さったのかなあと邪推しています。
もともと血管細いので採血あるたんび毎回困られるんですけど、
今回は結構な量抜かれた上、生理食塩水とキツめの痛み止めの点滴2本差しとかされたもので、ダメージは大きかったかな。

とりあえず呻いてる間に手早く点滴を刺されて車椅子移動。気分は老人。

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尿検査中にしくって点滴逆流して2度めの心の修羅場を迎えたり、

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何か繋がれたので腕の上げ下げをして心拍数上げる遊びをしたりしてました。
普段80/60の120、みたいな低血圧&脈拍の速さなので、逆に今日低すぎねえかって心配になっちゃったんですよね。

その後CTスキャン。ここでようやく先程の医者の訝しげな表情が判明。
腹痛を訴えているので腹を撮りましょう、ということだったんですが、胸部も追加。

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結果、
・腹痛はたぶん常用薬のイフェクサー(SNRI)の副作用による便秘とガス疑惑→下剤マシマシでいきましょう
・それより何か卵巣ヤバそうだけど婦人科いっとく?
・酒と眠剤まみれのわりにγ-GTPの数値低くてやるじゃない
・コロナ関係ないけど夏風邪を引いたお前は馬鹿
という診断が下り、
→常用している下剤(ピコルスファートナトリウム)と干渉しない下剤(マグミット)出しましょう
→肺炎は何か抗生剤出しときゃイケそうだから絶対飲めよな!(アジスロマイシン)
→平熱もともと高いし無理に下げんでも良いでしょう
→昨日何食べた?リンゴ1個?前日シュークリーム?話にならんから毎日ご飯食べようね!
という小学生みたいな感じで終わりました。
点滴終わる残り2時間が本当に暇でしょうがなくて、
カーテンの向こうに見えるモニタ(医者用)に興奮したり(職業がレタッチャなのでナナオのモニタ(こっちは色見る用)を神聖なブツだと崇めています)、
医者がCTスキャンするときに使ったソフトに興味津々でわくわくしたり、
この時点でもう身体とかどうでも良くなって、非日常に浮かれていた感覚があります。ので、わりと写真とか残っている次第。


あの時お見舞いの言葉をくださった方々、ありがとうございました。
と同時に、ご心配をおかけしてすみませんでした。生きてます!
起こっているコト自体は別として、意識もあるし痛み止め点滴されてて楽だしクッソ暇だったので、
やりとりのおかげで人らしい感覚が保てました。
残暑の厳しい中ですが、皆様もどうぞご自愛ください。いやホントに。

あ、あとヤクトモ!特にイフェクサー使ってる人たち!
アレの副作用に重篤な便秘があるんですけど、なるたけお水と運動欠かさずにしかも下剤しっかり飲んでね!
私は毎日イフェクサーを225mg飲んでるんですけど、
CTスキャンの時S字結腸ぎっしりうんこで摘便するかどうか考えられちゃったから!
どうもこの手の相談あるくさくて、常用薬イフェクサーですちゅったら「あぁ~やっぱね」みたいな顔されましたよ。
食物繊維でどうにでもなるもんじゃなし、とにかく下剤飲も!


さて、今こうやって家に戻って思い出されるのは、
緊急外来の医師・看護師陣の信じられないくらいの優しさです。
それもあって、今回あえて文章にしようと思いました。
パニクっているであろう患者を決して赤ん坊扱いするのではなく、
「相手のことをしっかり観察しながら、人として向き合って問診してくれる」
「相手の痛みに応じ、的確で答えやすい質問をしてくれる」
というのが非常に心に残りました。
お医者さんや看護師さんとしては、そうやって気を張っているのが日常かもしれない。
そして言いたかないけど、今こんな状況の中でいちばんしんどい職業だとも思う。
でもそんな日々の激務なんざ微塵も感じさせず、本当に迅速かつ丁寧な扱いをしていただきました。
明け方の救急相談センターのおねえさん、
てきぱき対応してくださった救急隊員の方々、
あくまでも優しく、そしてにこやかな対応をしてくれた医師・看護師様方、
本当に感謝してもしきれません。
なるべくお世話になりたくはないけれど(みんな健康な方が幸せなんだけど)、
いざ有事となったときに”識者が的確に連携して絶対に助けてくれる”というのは心強い限りです。
普段からお世話になりっぱなしなんだけれど、
それをもってしてもなおありがたいわ、日本の医療。

つーことで、みんな医療費きちんと払おうな!
明日の自分を救うのは今日の税金かもしれないぞ!きびきび働こう!
そして医療従事者の皆様に大きな感謝を!みんな健康になあれ。





まあ私は職場から1週間お休みもらったけどな!

めっちゃ研究所の中這いずり回ったりして楽しかったです。