鼠力機関

鼠くらいの精一杯の力でもろもろぶん回せたらいいのにねえ。

映画「MILK」感想と着地点。

*[垂れ流し]
http://milk-movie.jp/enter.html


渋谷のシネマライズでやってるの観てきたよ。
映画館で初めて泣かされましたよ。あたしは。


傑作でした。
いいからみんな映画館に走りなさいよ。


あたしの身の回りには、いわゆるゲイだとかレズだとか、そういう言葉で区分される人々がいます。
でも別に特殊なこっちゃないんです。
好きなもんが違うだけで。あとはみんな一緒。
わがままだったり能天気だったり無精だったり、それこそほんとひとそれぞれ。


だからこそ、あたしはこの映画が好きですよ。
ちょっとマイノリティだからって特別な扱いしなくていいよ。
いい、悪いじゃない。ただあるがままの、その人と、その人たちの活動を描いていて。
視点がリアルで、だからこそよかった。


人同士が愛し合ってるだけじゃない。
それに善悪、ましてや正常か異常かだなんて区別あるわけない。


ただ「不寛容」の問題は刺さりました。
例えば片思いしてた相手に告白してふられたとすると、
相手が異性だった場合と同性だった場合の「価値観の相違」の質と重みが違ってきてしまうだろうから。
だから恋愛って難しい。
ここらへんが、同性愛者を嫌う人が出てくる要因、
そして同性愛者自身が自分の感情を殺してしまう要因のひとつなのかな。



そういえば、同性愛者は悪影響を及ぼすもののような風潮があるけれど、
あれってなんでだろうね。
産めよ増やせよ地に満ちよ、の時代じゃあないんだ。好きなものは好きなもの同士愛し合えばいいよ。
そこに嫉妬の生まれる余地はあれど、差別が生みだされてしまうのは気持ち悪い。
同性愛者は同性に声かけちゃって気持ち悪いって言う人もいるだろうけど、
好みじゃない異性にナンパされる気持ち悪さとそう対して変わんないわ。
と、以前、同性から告白されてそれを受けたことのある身として思う。
ようはそこにいるのは「人」であって、
あくまで「異質な分子」じゃないってこと。


どっかよそのブログで「生理的に受けつけない、おぞましい」みたいなことが書いてあったけど、
文句つける時と場合を間違えてるような気がしました。
嫌いか好きかは個人の勝手です。でも表明と偏見丸出しの物言いって違うよね。
すべての人が理解者だったらそれはそれでこわいよね。
お釈迦様じゃないんで、みんな好き嫌いあるし。
でも少なくともこの映画観て言えるセリフじゃあないと思うんだぜ。



ドキュメンタリー映画も公開されてるそうなんでそっちも観ようかとおもっています。
で、もう1度こっち観てしまうんだろうな。