鼠力機関

鼠くらいの精一杯の力でもろもろぶん回せたらいいのにねえ。

いえやしない

えっらい地震があった。
そのあとの、身の回りの反応がやっぱりおかしい、と思った。
あれは豊かさではなく余裕でもなくまた自分がずれてるだけだろう、とはさすがに思えない。
歯ぎしりするとせっかくまっすぐに生えてきた親知らずが痛みそうなので、
1番悔しく思ったことを、今さらながら書いてみようか。



大阪の知り合い。

あの地震の後、彼女は、

「いろんな悲しいことや苦しいことはみんな自分になる。だから、がんばろう。」

と、書いた。

もうこれはこいつと全力で縁を切るしかないな、と、思った。



私の大事な友人に、
津波で実家も親戚も失い、
原発の影響で残ったものまで探しに行けなくなったヤツがいる。

あの地震の後、何度も話をした。
けっこう長い付き合いだが、あいつが涙ぐむのを見たのは初めてだ。

たぶん私の貧弱な語彙力では言えないし、そもそも私が語るのは間違っているとは思うけれど。

入れなくなる前の、見せてもらった写真はひどかった。
船がありえない場所に転がってたり、
それに、建物がないのね。がれきすらないの。片づけたわけではないらしい。
むき出しの建物の基礎とか、あとはどっかから流されてきたぬいぐるみなんかが、ひたすらに転がってるだけという有様が淡々と写っていた。
街はゴーストタウンになってた。行き場のない痩せた犬ばっか。

生活ってあんなぬぐい去られ方をするのか。していいものなのか。

友人の話。

遺体はもう身元確認とれない感じ。
確認とれるのは普通写真撮るものらしいが、それすら手が回らないから1人ずつ対面して確認。
そして、土地は、塩をかぶったからもう畑はできないし、
地盤がゆるいので何かを建てることもかなわないし、
そもそも戻りようがない。
原発云々の前に、なんにもなくなっちゃったから。
もう帰る家がない。
とのことだ。

誰が「がんばれ」なんて言えるんだ?
少なくとも、私は、一緒に酒呑んで、うんうん、と話をきくしかできない。今でもだ。



ヤシマ作戦とか馬鹿な盛り上がりを見せている知り合いの連中も大概にしろよとか思う。
だってエヴァのフォントってださいじゃん。あ、これ言ったらやられてしまうなw

そうじゃなかった、要は言いたいのは、なんか温度差って騒ぎじゃねーぞ。ってことだ。


たぶん私にできることは、いつも通りの生活をすること。
騒がないこと。浮き足立たないこと。
身の回りの話をきくこと。何が起きたのか否定しないこと。


まぁ、職場がエア被災してまして、仕事がなくて、給料が実にヤバいんだけど。
職場のおばはんたちは震度3程度の地震が起きただけで「そんなとこで仕事してないで!一緒に逃げよう!!」とか大騒ぎするし、そもそもいまだに昆布信奉してるしね。
あの直後の会社のミーティングで、副社長が「みんなヨード飲むと良いね、ヨード^^」とか言ったのは、本当にびびったぜ。まぁイシハラも当選しますわなそんなんじゃ。