鼠力機関

鼠くらいの精一杯の力でもろもろぶん回せたらいいのにねえ。

見真似できないものども

機会があって、写真を見に行った。
たいへんよかった。

などと書くといわゆる小並感なので、なぜ良かったのかを、忘れることがないように。


自分はもともとものすごく忘れる。3歩あるけば、というヤツである。
だから、忘れておきたくないものは、写真に撮っておくことにしている。まぁ楽しすぎると撮るのすら忘れているのだけれど。
とりあえず撮れたら見返してあたたかい気持ちになる。何度もそれをやる。あったことを覚えないからか感動を忘れるからか。ちがうのか。わからないけれど。
そうやって少しなりとでも思い出して、にやにやする。趣味が悪い。

とりあえず、そんな「自分にしか見えていない・いなかった・もの」に囲まれているためか、
今回みたいに、他人の視界をのぞきみるというのは、すごく刺激的だった。

たぶん写真が好きなんじゃなくて、自分の見えなかったものを見るのが新鮮なんだろう。
だから(技術的なこととかの)写真のうまいへたとかよくわからん。写真に関わる仕事にたずさわっているクセに。いまだに。

何かを伝えよう!表現しよう!そういった系統の写真も面白いからそこそこ好きっちゃ好きなのだけれど、
えぐいだけの表現は、もう嫌いになってしまった。
誰かが見たもの、何かを思って撮ったもの、普遍的な感情をいだいたもの。そっちの方が好きみたいだ。

見に行った個展は、その人自身の視界だったから、良かったんだと思う。